県職労の主張(2018年6月27日)

「教職員の過労死認定を受け長時間勤務の縮減を求める請願」の採択に関する声明

 我々三労組が提出した「教職員の過労死認定を受け長時間勤務の縮減を求める請願」について、本日行われた本会議での採択の結果について意見を表明する。

「総労働時間の把握、分析、対策、検証」について

項目1の「総労働時間の把握、分析、対策、検証」について採択となったことは高く評価する。現在、少なからぬ教職員・県職員が過労死ラインである複数月平均80時間、単月100時間を超える時間外勤務をしており、中には200時間を超える職員もいる。いつ誰が倒れてもおかしくない状態であり、現場からは改善を求める強い声が上がっている。早急に長時間労働の実態把握、原因分析を進め、実効ある対策が確実に行われることを強く求める。

「学校教育及び公共サービスの変化への県民理解を、県が主体となって求めること」について

項目2の「学校教育及び公共サービスの変化への県民理解を、県が主体となって求めること」については、今後、総労働時間の把握、分析、対策、検証が具体的にすすめられる中で生ずる変化については、当然、県民への周知が行われるべきものと考える。例えば、他県の教育委員会は、保護者・地域向けにリーフレット「学校現場での働き方の見直しを進めています」を配布し、働き方の見直しを進める県の方針や取組の紹介だけでなく、「3年後までに時間外勤務時間が月80時間を超える教職員ゼロを目指す」という具体的な数値目標まで示している。働き方改革を実践していくためには、改革に伴う変化を県民が理解し、協力体制の構築が必要不可欠であると考える。。

「タイムカード等客観的な記録の導入」について

項目3の「タイムカード等客観的な記録の導入」について、19日に知事がパソコンの使用状況をチェックして勤務時間を把握する取組を試行することを表明され、勤務時間の把握に一歩前進したにもかかわらず、請願が否決されたことは非常に遺憾である。現在、報道でも取り上げられているように教職員の勤務は多忙を極めており、自己申告の記録は教職員の負担を助長している。他県では、時間外勤務時間が月100時間を超える教員の自己申告のデータを教頭が改ざんした例もある。今後、県が職員の負担が少なく、客観性、信頼性のあるタイムカード等客観的な記録の導入を進め、職員の健康や命が守られることを強く求める。厚生労働省も、文部科学省も、タイムカード等の客観的な記録に基づく労働時間の把握が必要なことを通知していることを踏まえ、今後、早急に改善が図られることを求める。

県議会に対して

次に、今年度4月1日から施行された富山県議会基本条例について意見を申し上げる。昨日の、経営企画委員会、教育警務委員会において、委員から我々請願者の陳述が提案されたが、否決された。富山県議会基本条例第6章第21条1項に、「議会は、県民から提出された請願及び陳述を、県民の政策提案と受け止め、必要に応じて、県民の意見を聴く機会を設ける」とあるが、その機会が失われたことは誠に残念である。同条例前文には「真摯に県民の声を聴き、県民の多様な意見を県政に反映させるとともに、県民により一層信頼され、期待される議会となるよう」と記してあり、開かれた議会が求められている中、県民が実感をもってその精神を感じ取れるよう今後の議会の対応に期待する。

本年の報告・勧告は、公務員の労働基本権の代償措置機関としての人事委員会勧告制度を考えた場合、月例給・一時金の引き上げは当然のものであり、富山県職員の生活・職場実態を鑑みた場合、全てが納得できるものではない。今後は県当局に対し、秋季闘争において職員が意欲を持って働き続けられるよう賃金・労働条件の改善をめざし、組織の総力を挙げて取り組みを強化していくものである。

  2018年6月27日

                                             富山県教職員組合

                                             富山県高等学校教職員組合

                                             富山県職員労働組合

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