アベノミクスの3年間を自画自賛の安倍首相。首相が掲げる「成果」はホントなのか。「その2」では統計からの検証でした。それでは、「第2ステージ」の「新三本の矢」は果たして真に受けて良いものか。そう思っていたら、「北陸中日」に同志社大教授・浜矩子さんのコラムが。
「彼は(2015年)4月の訪米時、(29日議会演説後の米国笹川平和財団での)講演の中で、『私の外交安全保障政策はアベノミクスと表裏一体であります』と述べた。この点の質問に答えて、『デフレから脱却をして経済を成長させ、そしてGDPを増やしていく』ことを通じて『当然、防衛費をしっかりと増やしていくこともできます』とも発言している。」
つまり、アベノミクスは彼の外交安全保障政策のお先棒担ぎに過ぎず、GDPを2割増やせれば、防衛費も2割増やせるということでしょうか。タカ派右翼の本音が出たのだと思います。
そのための「一億総活躍プラン」と見れば、「GDP600兆円」、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」の目標も、「生めよ増やせよ、女性も高齢者も国民総動員体制でこき使うプラン」になってしまいます。
社会保障は削減しながら、防衛費は3年連続で増やし、新年度予算ではついに5兆円越え。
「トリクルダウン」など信じていないし、どうでもよいこと。強者がより強くなり「安全保障」のために「経済成長」が実現すれば大成功。「経済最優先」とは「外交安全保障最優先」と同義語。日本という国家の強さと力と大きさを追求する政策をさらに進めるのだ・・・ということでしょうか。
そう考えれば、パート労働者の賃金を25万円と言い、保育園待機児童問題を(働きに出る人が増えて)うれしい悲鳴と表現し、入園審査に落ちた人のブログには「真実かどうかわからない」と言い放つ首相の発言も納得できます。庶民をイジメながら、大事な情報は、遮断して「この道しかない」と威張るリーダーが本当に国民に幸せをもたらしてくれるとは思えません。特定秘密で都合の悪い情報は隠し、野党が共同提出した「安保廃止法案」を審議もさせない国会、放送法の意義を理解せず、報道に圧力をかけ、TPPでは交渉記録も作成していないと言いながら審議入りさせる政府。
選挙前になると繰り出されるリップサービス。選挙が終われば「聞いてないよ」と突っ込みたくなる方針変更。すでに私たちは、つい1年数ヶ月前に経験済み。もう惑わされることはありません。
「我々人民は、議会に対しても裁判所に対しても主の位置づけにある。そのような地位を我々が有するのは憲法を覆すためではない。それは憲法を汚そうとする者たちを打倒するためである」「投票は銃弾より強い」(エイブラハム・リンカーン)。