富山大空襲の惨禍から68年目の8月1日も「不戦の誓い集会」が開催されました。今年の講師は富山大空襲を語り継ぐ会事務局長の和田雄二郎さん。和田さんは長く高校教師を務められました。教え子の富山高校演劇部OBによる「戦争を憎み平和を願う私たちの朗読劇」は今年通算23年目を迎えます。
和田さんが講演の最後に伝えたいこととして二つのことを述べられました。一つは、「天災は避けられないが、人災は避けられる。最大の人災は戦争である」。二つに、「この人災を防ぐ最も大切な防災対策は、憲法を守ることだ」と。
この3日前の7月29日、麻生副総理の「ナチスの憲法改正手法に学んだ方がよい」との発言で世界的に非難を浴びました。しかし、すでに安倍総理は「ナチス的手法」を取り入れています。
「安倍晋三首相は2日、山本庸幸内閣法制局長官(63)を退任させ、後任に小松一郎駐仏大使(62)を起用する方針を固めた。(略)小松氏は外務省出身で、首相が検討する集団的自衛権行使容認のための憲法解釈の変更に前向きとされる。法制局勤務の経験がない(極めて異例な)小松氏の起用は、首相が今後取り組む安全保障政策の見直しに向けた布石と言えそうだ(時事通信8月2日)」。参事官にも首相の「腹心」を起用。当時のドイツでは、首相に就任したヒトラーが国会同意なしで政府が法律を作ることができる全権委任法を制定し、ワイマール憲法を「実質停止」にしました。また、ワイマール憲法に定める大統領緊急令を乱発することでナチスの独裁を進めました。立憲主義を理解せず、「護憲派パージ」を進めようとする安倍総理の手法は、まさに「ナチス的手法」です。
今後3年間は大きな国政選挙はないだろうと言われています。戦後これだけ空白があったことは1980年代に中曽根内閣時代の2回だけ。このとき国鉄が分割民営化され、総評が解体され、その後の社会党解体と55年体制崩壊につながりました。経営者団体・自民党に対し、労働者団体・社会党という明確な対立軸が崩壊したことで「失われた20年」が始まりました。20年経って、蘇った自民党は、タカ派・民族派右翼集団の様相。原発推進勢力と対決することなしに反原発・脱原発がないように、いまこそ対立軸となるハト派・リベラル勢力の集団が必要です。
今年も、原水禁世界大会が、福島から始まり、広島から長崎へと核兵器廃絶や脱原発を目指す活動が繰り広げられました。こうした運動を通じて社会的な発言力・発信力を強め対立軸を示していくことが大切です。今年は県職労から3人の仲間が参加。反核平和の火リレーに34人がランナーとして参加しました。