風に吹かれて 11(2013年7月10日)

佐々木委員長コラム「風に吹かれて」 11(2013年7月10日)

民意を示す一票の行使を

七月四日、参議院選挙が公示されました。翌日の新聞各紙は、「ねじれ、経済攻防(読売)」、「アベノミクス、憲法、原発(朝日)」、「アベノミクス、社会保障、原発、改憲(毎日)」と今回の選挙の争点を見出しに。

まず、与党のトップが口をそろえる「衆参のねじれ解消」。どうして衆議院と参議院で多数派が違うことが「悪いこと」なのか。数だけで物事を決めようとする暴走に「待った」をかけ、冷静に、慎重に、民主的に物事を決めるには、参議院の役割を果たすには、勢力が逆でなければできないのでないか。そもそも、「衆参のねじれ解消は急務」と言われても、誰にとって急務なのか。本当に国民にとって急務なのか。いくら選挙結果が民意の結果だと言っても、国民は政府に「白紙委任」したわけではありません。原発、消費税など政府と民意のねじれ解消こそが問題です。「決められない政治」とは、前野田内閣が言い出した言葉ですが、決めることを最重要視するなら、中国共産党のように一党独裁こそ理想ということになってしまいます。むしろ、「ねじれがあるから国会は正常」なのでないかと思うのです。

次に、経済政策です。経済という言葉は、「経世済民(世の中を治め、人民を救う)」が語源と言われます。経済を知り、経済を語ることは、暮らしを知り、暮らしを語ることでなければならないと思います。佐高信氏は「今日本はタカ派ばかり」の中で、「道州制と地方分権は両立しない。道州制を推進する猪瀬、橋下知事は暮らし・経済を知らない経済音痴。セーフティネットという概念すらない一九世紀の資本家並み」等と書いていますが、アベノミクスも一部富裕層と大企業のための経済政策であり、「第2の小泉改革」であることは明らかです。一方で、公務員賃金大幅カット、物価2%アップ、消費増税、生活保護扶助費削減、高齢者医療費負担倍増、さらに社会保障の聖域なき改悪、加えて、TPP参加にまっしぐらです。

憲法は「主権者たる国民が国家権力のあり方を規制し、平和・人権を保障させるもの」です。自らを規制する規定を、国家権力が都合良く変えられるようにしようとする96条改定は論外ですが、維新・みんな等を加えて右翼・タカ派勢力が3分の2を占め、自民党の「改正草案」に沿った「壊憲」が進むことはまさに民主主義の根幹が破壊されることです。

参議院選挙は、一枚目が「選挙区の候補者名」を書き、二枚目が「私たちの候補者名・又市」を書く投票方法です。又市議員は、その論客ぶりや国会戦術に定評があり、他党からも「野党共闘の要」と評価されています。富山県職労出身であり、常に地方と労働者の視点を忘れない議員です。この後おそらく3年間は大きな国政選挙はないでしょう。「票ほど明確な民意」はありません。民意を示す一票を確実に行使しましょう。

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