著者はノンキャリア職員として大蔵省(現・財務省)に勤務。バブル経済崩壊前後の日本経済の現場をつぶさに見てきた経験から、次のように主張します。「一九八八年の税制に戻せば、税収は現在の倍になる」「富裕税を創設するだけで、財政問題はすべて片づく」「日本は世界一金持ちで、世界一不幸な国になってしまった」「長引く不況下でも高額所得者は急増し、億万長者の数は三倍に」「平均年収は下がり続けるうえ、社会保障への支出は全く不十分」「億万長者と大企業は、すでに1000兆円も貯め込んでいる」「庶民の生活を踏み台に、優遇税制によってつくられた富裕層」「巨大利権をもたらし、庶民を苦境に追い込む、欠陥だらけの消費税」。そして、非正規雇用や社会保障の問題をきっちり解決しておかなければ、将来、日本は本当に破綻してしまう。日本の将来にとって欠くべからざる対策は、この10年間で激増した金持ちの資産や大企業の内部留保を吐き出させ、国民全体に分配し、雇用を安定化させ、社会保障を充実させることだと。
財界言いなりの歴代政権が、いかに税制をゆがめてきたのかがわかる一冊です。
サブタイトルは「貧乏人は読んではいけない。おいしいデフレは止まらない。金持ちが金持ちでいられる本当の理由」です。デフレが止まらないのは、経済政策の間違いでも何でもない。著者がその種明かしをしてくれます。
著者は、元外務省・国際情報局長。「消費増税、普天間問題、オスプレイ配備、原発再稼働、検察の捏造捜査、国民の意思とは関係なく進められる政策はいったい誰が決めているのか」「高校生でも読める戦後史の本」がキャッチコピーです。米国の意向と日本社会の関係から読み解く戦後史は、わかりやすく、かつ、刺激的です。
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