前政権時に地共済長期掛金は平成三〇年まで上がり続けることがすでに決まっています。今年四月に引き上げられたばかりの短期掛金のさらなる引き上げも検討されています。また、来年一月からは今後25年間にわたり復興増税(2%)がはじまります。そんなところへ追い打ちをかけるように今回の消費増税です。たとえ改悪攻撃をすべてはね除けたとしても可処分所得の減少は避けられません。
だからこそ、対県要求事項である地域手当凍結解除と県内一律支給、昇給抑制回復、現給保障堅持の実現は重要命題です。
それにしても、消費増税は「今の衆議院の任期中は増税しない」という民主党公約に背くもの。そういえば、23年前の消費税導入そのものが、うそと公約違反で決まったものでした。
一九八六年七月の衆参同日選。当時の中曽根首相は「大型間接税はやらない」「この顔がうそをつく顔に見えますか」とまで言いました。安心した国民は自民党に300以上の議席を与えてしまいました。しかし、自民党政府は「売上税」という大型間接税導入に走り出しました。中曽根はうそつき、と翌年四月の統一地方選で自民党は大敗し、一旦は廃案になったのですが、八九年四月には、消費税と名前を変えて、後任の竹下首相が議席の力で法案を成立させてしまいました。消費税の生い立ちは、うそで生まれてうそで育った税金でした。
消費税率5%は低いと言われていますが、国税収入に占める消費税の割合は24%(平成二三年度)で、税率が20%のイギリスやイタリアとあまり変わりません。なぜなら、日本は消費支出の89%に課税されていますが、イギリスでは62%、イタリアでは52%にすぎないからです。ヨーロッパの社会保障は消費税で支えられているわけではないのです。日本との決定的な違いは、企業の「事業主保険料」と「所得税や法人税」などの累進制度の税金が占める社会保障財源の割合です。つまり、大企業や富裕層による応能負担が社会保障を支えています。それが嫌なのか、経団連の米倉会長は「消費税を二〇二五年までに19%まで上げろ。法人実効税率はそれまでに38.01%を25%まで下げろ」などとエゴ丸出しの言いたい放題。この20年で25%経済が成長しているのに、税収は逆に25%低下し、給与所得者の平均年収は下がり続けているのに、株主配当金と役員報酬は2倍以上に増えています。その結果、富裕層と大企業に富は偏在し、1000兆円が貯め込まれました。所得・法人・相続税を20年前に戻し、社会保障掛金の上限を撤廃するだけでも、たぶん消費税引き上げは不要になるはずです。
今国民がバッシングすべきは20年間、まともな税金を払ってこなかった経営者と資産家であり、決して公務員ではないはずです。