県職労の主張(2013年10月15日)

2013 富山県人事委員会報告に対する声明

富山県人事委員会は、本日、知事及び富山県議会議長に対して、富山県職員の給与等に関する報告を行った。
その報告概要は、月例給・一時金ともに公民較差が小さく、減額措置後の実際に額では民間を下回っているが据え置き。また、地域手当については、県人事委員会の全国調査においても、我々が指摘している問題点により「地方の実情に合わない手当」であることが明らかになったにもかかわらず、「制度に関する情勢変化はない」とし、報告にも触れておらず、県職員の賃金・生活実態を顧みない内容であり、到底職員の労働基本権制約に対する代償措置としての役割を果たしていない。したがって極めて不満な報告に遺憾の意を示すとともに以下の点について県職労としての見解を示す。

第一は、賃金・生活実態を反映せず、職員の士気を考慮しない内容であること。

私たちの賃金は、この10数年間政治的背景もあり削減が行われ、いかに民間準拠とはいえ、私たちの生活に大きな影響を与えるものであり、極めて不満な内容だと言わざるを得ない。特に、本年7月から全組合員を対象とした国の「強制」による減額措置や9年に及ぶ県独自減額措置について、他県のように強く遺憾の意を表明することもなく「やむを得ないものと考える」などの表現にとどまるなど、その姿勢は問題と言わざるを得ない。

第二は、地域手当支給方法への問題解消に関与しない姿勢である。

地域手当の一律支給に関して任命権者からの依頼を受け、実施した全国調査における他県の状況を鑑みれば、「地方の実情に合わない手当」であることが明白になったにも関わらず、「制度に関する情勢の変化はない」との一方的見解を示すだけで、その制度の問題点の検証さえ行わないことは大変問題である。
加えて、労使が問題意識をもって、県人事委員会に働きかけた内容について、調査・研究結果について本年の報告に触れていないなど、第3者機関としてもその責任を果たしていないと言わざるを得ない。

第三は、年配層の雇用問題についての認識の甘さである。

本県が、国や他県に比べて再任用職員が多く、今年度退職者から無年金状態の職員が発生することを指摘し、賃金・労働条件の勧告を求めたにもかかわらず、人事院が来年度調査での勧告を示したことに追随し、「再任用の在り方を検討する必要がある」としている点において、県人事委員会としての姿勢は、大変不満であり問題であると指摘しなければならない。
加えて、この問題の解決には、人事院が申し出た「定年延長」しか存在せず、それまでの間の「再任用制度」については、その制度の矛盾など多くの課題を整理しながら対応することが必要であり、県人事委員会にその姿勢をうかがうことは出来ない。

本年の報告は、公務員の労働基本権の代償措置としての人事院・人事委員会勧告制度を考えた場合、国追随で全く富山県職員の生活・職場実態を鑑みたものでなく、総じて納得できる内容ではない。今後は県当局に対し、秋季闘争において職員が意欲を持って働き続けられるよう賃金・労働条件の改善をめざし、組織の総力を挙げて取り組みを強化していくものである。

2013年10月15日

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